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ついに迎えた事業構想の最終プレゼン。令和6年度ワーキンググループ第5回を実施

  • 執筆者の写真: Smart City Nagano Smart City Nagano
    Smart City Nagano Smart City Nagano
  • 1月17日
  • 読了時間: 6分

更新日:1月23日


「長野における未来の移動 – 持続的なまちづくりのための人・物・移動を考えよう」をテーマに始動した令和6年度NASCワーキンググループ。

いよいよ今回は、2024年12月18日に開催された最終回・第5回目の様子をお届けします。 地域課題に対して、自然と気づきを得られる状態になった参加者たち

これまでのワーキンググループと同様、会場は長野市内のまちづくりの拠点となっている「R-DEPOT」。今回も「最近起きた印象的な出来事や小さな気づき」について、一人ひとりシェアするチェックインからスタートしました。





「先日訪れた野沢温泉では、スノーモービルが当たり前のように移動手段になっていました」

「長野市は、市街地から40分でスキー場に行くことができる、恵まれたエリアだと気づきました」

 

参加者も、今年度のワーキンググループのテーマである「移動」という地域課題に対して、自然と気づきを得られる状態になっていることがうかがえました。


「地域を助ける」ではなく「地域の○○を助ける」という意識


最終回のインプットトークでは、一般社団法人渋谷未来デザイン理事・事務局長を務める長田新子氏が登壇しました。

長田氏は、世界的なエナジードリンクブランドの日本法人「レッドブル・ジャパン」でマーケティング責任者として従事するなど、業界の第一線で活躍。同社を退職したのち、マーケティングの知見を活かし、ご自身も住まわれている渋谷区で、産官学民連携によるまちづくりに取り組んでいます。今回は、そんな渋谷区での取り組みを踏まえて、まちづくりのエッセンスを紹介していただきました。



「私たちが渋谷区のまちづくりで対象にしているのは、企業や住民だけではありません。渋谷区の中で働いている人、住んでいる人、学んでいる人、遊ぶ人……そうした人たちをまとめて、私たちの組織では“渋谷民”と呼んでいます。それぞれのかたちで渋谷との関わりを持つ“渋谷民”みんなで、この街はどうあるべきかを考えたり、プロジェクトの実証をしたりしながら、活動を行っています」

 

そんな話題から始まったインスピレーショントーク。長田氏曰く、「まちのファンの多くは、単に消費する側ではなく、つくり手としてまちに関わっている人。そういう人をいかに増やすかが大切」だと話します。



「人々を巻き込むときに大切なのは、自分たちがやりたいことや助けてほしいことを明確に示すこと。『渋谷を助ける』という動機では人は動きません。『渋谷の○○を助ける』のようにすると、やることが明確になって初めて関わりを持とうとするのです」



長田氏は、渋谷区内の荒れたバスケットコートに課題意識を持ち、東京都からの支援を待つよりも、自分たち自身で改修していこうとクラウドファンディングを立ち上げた団体のエピソードを紹介。そのプロジェクトはバスケットのファンやプレイヤーを中心に共感を生み、瞬く間に達成したそう。まさに『渋谷の“バスケ”を助ける』という明確な旗印から生まれたエピソードだと言えます。

 

「大切なのは『都市“の”課題を解決する』のではなく『都市“で”課題を解決する』意識。まちそのものをプラットフォームとして捉えるのです」



4ヶ月間の集大成をプレゼンテーション


お昼休みを挟んだのち、いよいよ各チームが取り組んできた事業構想の最終プレゼンへ。


▲「R-DEPOT」内にある通称・CAMPと呼ばれるスペースで最終プレゼンを実施。
▲「R-DEPOT」内にある通称・CAMPと呼ばれるスペースで最終プレゼンを実施。

2024年7月に実施された初回のワーキンググループから約5ヶ月。ナラティブの構築、ワールドカフェ形式の対話、関係者へのヒアリングなど、さまざまな経験をしながら、長野市の新産業をつくるための事業構想に向き合ってきた参加者が、6つのチームに分かれて発表を行いました。

 

「子育て世代においては、仕事と子育てを両立するハードルはかなり高く、どちらも中途半端になりやすい。特に送迎は大きな負担です。また、企業においては、人手不足や人材育成に悩んでいます。だからこそ、仕事と子育てに必要な機能を一か所にまとめ、子育てを中心としたコミュニティをつくり、地域を支える人材育成をしていく場所をつくります」

 

「データによると、長野県と県内市町村が受け付けた移住相談件数は2万件以上で全国トップクラス。一方で、長野市では、人口減少や人口流出も課題になっています。そこで、私たちはまちで暮らす人の目線で、検討段階から実際に移住するまで、ミクロなレベルでの伴走支援を行うプラットフォームをつくります」



チームごと、ヒアリングやディスカッションをもとに練り上げた事業構想を発表した各プレゼンでは、SUNDRED株式会社の代表取締役・留目や深田との質疑応答も行います。



それぞれのチームが展開する、5ヶ月間の集大成。熱が込もったプレゼンに、会場にいる全員が耳を傾けました。



また、全チームのプレゼン後には、NASC事務局長・川上よりコメントがありました。

「今回の地域課題のテーマを『移動』と決めたとき、果たしてどのような事業構想が生まれるか未知数だったこともあり、正直不安もありました。でも、さまざまな分野にしみ出していく広がりのあるアイデアがいくつもあった。そこに感銘を受けました。

 

これから人口減少が進む中、長野市では『官か、民か』ではなく『官も、民も』というスタンスで地域課題に取り組んでいきたい。同じ地域で、同じ目線で、一緒に何かを積み上げていけたらと思います」



参加者全員が「インタープレナー」として

その後、休憩を挟み、振り返りとディスカッションの時間へ。まずチームごと、NASC運営事務局や他チームのメンバーからフィードバックを受けます。



その後、深田が全体講評を行いました。

「私たちが目指してきたのは、『 インタープレナー』という役割。自分が所属している組織のために働くというのも、もちろん大切ではありますが、 やはり外部の人たちと繋がることで新たにできること・解決できる課題が生まれてくる。そうした新しい働き方が求められています。

 

地元企業、スタートアップ、自治体、それからプロフェッショナルの方々も一緒になって、共通の目的をつくり、ともに取り組んでいく……そうした『インタープレナー』が地域に増えることで、長野市の未来は変わるはずです。この5ヶ月を経て、みなさんはもう十分『インタープレナー』だと思います。冒頭の長田さんの話にもあったように、ぜひ『長野市の○○を助ける』という明確な旗印を示し、具体的なプロジェクトをつくっていってください」

※インタープレナーとは、インタープレナーとは、組織の枠を超えて社会起点で発想し、オープンでフラットな対話を通じて目的を共創し、仲間とリソースを集めてプロジェクトを進め、所属する組織も動かして組織にも貢献し、目的を達成していく「社会人」を指します。


最後は、チームごとの振り返りとディスカッションを実施。今回の最終プレゼンの内容を振り返りつつ、1月31日に実施されるNASC主催の特別イベント「めぐる つながる NASC OPEN DAY」に向けて自分たちのプロジェクトを推進するために必要な企業・プレイヤーやアセットを、いかに集められるかを議論しました。



全5回のワーキンググループは、今回で終了。しかし、各チームのプロジェクトは、これからも推進していきます。会が終わった後、「今日のフィードバックを参考にして、年明けに打ち合わせしましょう」「まずは実現可能性の高いこのスキームで、スモールスタートできるようにしたいですね」といった声も聞かれました。



近い将来、この場をきっかけにした新たな地域産業が生まれるかもしれません。ぜひご期待ください。


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